\parbox 内の2番目以降の段落

[h-kitagawa]

platex/#63 と関連した話題です．jsclasses では \everyparhook を用いて段落が開き括弧で始まった場合にグルーを入れない（見た目では全角下げ）になるようにしていますが，
\parbox や tabular の p 指定のセルでは \everypar がクリアされるので，二番目以降の段落が開き括弧で始まった場合にグルーが入る（見た目では半角下げ）になります．

\documentclass{jsarticle}
\def\EV{[\expandafter\expandafter\expandafter\detokenize\expandafter{\the\everypar}]}
\begin{document}

\ttfamily\mcfamily\EV

\vrule\parbox[c]{10zw}{%
『あ\par 「\par 【\\い\par\EV
}

\begin{tabular}{|@{}p{10zw}}%
『あ\par 「\par 【\hfil\break い\par\EV
\end{tabular}
\end{document}

\everypar のクリア処理は \@arrayparboxrestore で行われています．etoolbox の \patchcmd を使って

\patchcmd{\@arrayparboxrestore}{\everypar{}}{\everypar{\everyparhook}}{}{}

としたら症状は改善するようです．

[aminophen]

#58 のときに minipage の対処漏れには気づいたのですが，\parbox などは忘れていました。

[aminophen]

ちなみに，\everyparhook に関連して，以前から気になっていた挙動があります。

• \section などの引数冒頭の JFM グルー
  • jsclasses では入る。\usepackage{bxjaprnind} してもやはり入る。
• \section{} 直後に \newpage した場合の JFM グルー
  • jsclasses では入る。\usepackage{bxjaprnind} すると入らなくなる。

MWE を以下に示します。

\documentclass{jsarticle}
\begin{document}

\section{（章タイトルにグルーが入る。）}

\section{比較用}
（この段落にはグルーが入らない。この段落にはグルーが入らない。この段落にはグルーが入らない。
この段落にはグルーが入らない。この段落にはグルーが入らない。この段落にはグルーが入らない。）

\section{比較用}\newpage
（この段落ではグルーが入る。この段落ではグルーが入る。この段落ではグルーが入る。
この段落ではグルーが入る。この段落ではグルーが入る。この段落ではグルーが入る。）

\end{document}

[h-kitagawa]

\section{} 直後に \newpage した場合の JFM グルー

見出しの直後では \if@nobreak が true になりますが，\newpage のところで

\if@nobreak\@nobreakfalse\everypar{}\fi

とあるので，ここで \everypar がリセットされてしまうのが原因のようです．該当箇所を

\if@nobreak\@nobreakfalse\everypar{\everyparhook}\fi

とするとうまくいくようです．