LaTeX2e 2025-06-01 への対応

[h20y6m]

LaTeX2e 2024-11-01 までへの対応もできていないような状態ですが、
LaTeX2e 2025-06-01 では出力ルーチンに大きな変更が入るようです。

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\@makecol と \@makespecialcolbox

platex ではボトムフロートと脚注の順序を変更するために \@makecol と \@makespecialcol を再定義していますが、
LaTeX2e 2025-06-01 では build/column/outputbox ソケットでボトムフロートと脚注の順序を構成できるようになるようです。
\@makecol と \@makespecialcolbox の再定義を止め、ソケットで変更するようにするのが将来的にもよいのではないかと思います。
floats-space-footnotes プラグを使うとぱっと見今までと同じになるように見えます。

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@outputpage

こちらは \shipout ボックスに \yoko を入れないといけないので、再定義するしかなさそうですね……

[h20y6m]

\@makecol と \@makespecialcolbox の再定義を止め、ソケットで変更するようにするのが将来的にもよいのではないかと思います。
floats-space-footnotes プラグを使うとぱっと見今までと同じになるように見えます。

どこかで \pltx@adjust@wd@outputbox を入れないといけないですね……

[h20y6m]

ところで以下の \iftdir は常に false のような気がするのですが、どうなんでしょう？（\vbox{\yoko の内側ですよね？）

platex/plcore.dtx

Lines 1356 to 1364 in ec72dec

	\if@twoside
	\ifodd\count\z@ \let\@thehead\@oddhead \let\@thefoot\@oddfoot
	\iftdir\let\@themargin\evensidemargin
	\else\let\@themargin\oddsidemargin\fi
	\else \let\@thehead\@evenhead
	\let\@thefoot\@evenfoot
	\iftdir\let\@themargin\oddsidemargin
	\else\let\@themargin\evensidemargin\fi
	\fi\fi

[h-kitagawa]

LaTeX→pLaTeX で，出力ルーチンには次の 3 つの変更が加わっていいます

1. 「慣習」による，脚注とボトムフロートの順序の変更
2. 縦組への対応
3. トンボのサポート

1., 2. は pLaTeX カーネルでなんとかするのは当然としても，3. までカーネルでやる必要があるのかと思っているところです．

せっかく aminophen さんが gentombow パッケージを作ってくださっているので，これにうまく乗っかりたい気分があります．

たとえば，次のようにできないものでしょうか？

• \maketombowbox の実際のコードや \@outputpage へのパッチなど，pLaTeX カーネルにあるトンボ用コード¹ を gentombow-otr.sty として分割する
• pLaTeX/LuaTeX-ja では，互換性のため \iftombow, \@bannertoken など命令は定義しておく．最初に \maketombowbox が実行された時点で，gentombow-otr.sty を読み込むように変更

Footnotes

1. ちょうど，gentombow.sty の %%%%% EMULATION BEGIN から %%%%% EMULATION ENDの部分に対応． ↩

[aminophen]

トンボ

私も，カーネルに入れておくべき機能とまでは思っていないので，外部パッケージ化してしまう案はアリだと思います。そのベースとして gentombow を使っていただけるならそれで結構です。texjporg 配下に移してもいいかなとも思ったり。

[h-kitagawa]

4 月初旬に LuaTeX-ja に入れたコードと同様のものをtexjporg/platex/kitagawa_for-lt20250601 で入れています（ぜんぜんテストはしていません）．

• \@makecol の再定義はやめました．従来の \@makecol にあった内容はほとんど \@make@normalcolbox に移動しています．
• \@make@normalcolbox は \pltx@adjust@wd@outputbox を追加するために再定義しています．
• ``@outputpageも\yoko` 追加とトンボ処理のため再定義しています．
• \@makespecialcol はほとんどいじっていません．どうすればいいのかよくわからない．

[h-kitagawa]

texjporg/platex/kitagawa_for-lt20250601 で入れています

トンボ関連のコードを書き直しました．外部パッケージに出す/出さないのどちらにしろ，見通しが良くなったように思っています．

• \@tomboereset@@paper → build/page/reset フックへ
• \@outputtombow → shipout/background フックへ

\@outputpage へのパッチはまだ必要ですが，トンボとは無関係の「\yoko の追加」だけです．

[h20y6m]

全然見れていなくてすみません。

h20y6m_for-lt20250601 で platexrelease による 2025-05-31 以前への巻き戻しができるようにしました。（巻き戻しの都合で日付を 2025/06/01 に変えています。）

\@makespecialbox がこれでいいのかわかってませんが……
（「古い pLaTeX の \@makecol をベースに作られた外部パッケージ」ってどれだろう？）

気になった点として、platex.tombow というフックラベルが使われていますが、LaTeX kernal のほうでは kernel/filelist のような / 区切りのラベルが使われているようです。また lthooks-doc.pdf (section 2.1.5) でも / 区切りの例があるので / 区切りのほうが無難かもしれません。

[h20y6m]

よくわかっていないのですが、縦組みのときにページ全体が奇数ページで左に偶数ページで右にずれている気がします。

[h-kitagawa]

よくわかっていないのですが、縦組みのときにページ全体が奇数ページで左に偶数ページで右にずれている気がします。

む，\oddsidemargin, \evensidemargin の挙動が逆になっているということでしょうか．次の plcore.dtx 中の 1406--1408 行目（\oddsidemargin, \evensidemargin の入れ替え）は不要な気がしていますが，私もよくわかりません．

platex/plcore.dtx

Lines 1403 to 1410 in 546ea37

	\AddToHook{build/page/reset}[platex]{%
	\iftdir
	\dimen\z@\textwidth \textwidth\textheight \textheight\dimen\z@
	\let\@themargin\evensidemargin
	\let\evensidemargin\oddsidemargin
	\let\oddsidemargin\@themargin
	\fi
	}

[h20y6m]

次の plcore.dtx 中の 1406--1408 行目（\oddsidemargin, \evensidemargin の入れ替え）は不要な気がしていますが，

この3行の削除で直った気がします。

この部分は \@outputpage の \shipout\vbox{\yoko の中の \iftdir\let\@themargin ～

platex/plcore.dtx

Lines 1356 to 1364 in ec72dec

	\if@twoside
	\ifodd\count\z@ \let\@thehead\@oddhead \let\@thefoot\@oddfoot
	\iftdir\let\@themargin\evensidemargin
	\else\let\@themargin\oddsidemargin\fi
	\else \let\@thehead\@evenhead
	\let\@thefoot\@evenfoot
	\iftdir\let\@themargin\oddsidemargin
	\else\let\@themargin\evensidemargin\fi
	\fi\fi

の代わりでしょうか？　この部分は常に横組みで実行されると思うので「\oddsidemargin, \evensidemargin の入れ替え」は起きていなかったのだと思います。

[h20y6m]

ずいぶん時間が空いてしまいましたが……
pLaTeX のほうはとりあえず大丈夫な気がしています。

一方で pLaTeX 2025-06-01 対応版では以下のパッケージで問題が起こるようです。

• gentombow
  • ! Package gentombow Error: Failed in patching \@outputpage! エラー
• nidanfloat
  • 1段のフロートがそのページに挿入されず、最後のページに挿入される？？